
最近あえて首都圏や大都市圏での生活に見切りをつけて、地方に移住して新たな生活の拠点を構えるライフスタイルに注目が集まっています。地方にIターンして暮らしの場を移すというニーズは一定数存在していたのは事実ですが、当たり外れの大きいものだったとされています。綿密な下準備もなくイメージ先行で移住に踏み切ることで、地域柄の人間関係がネックになり失敗する事例も珍しくありませんでした。
しかしながらテレワークの普及にみられるように、インターネット環境さえ整備されていれば、地理的制約もなく業務遂行が可能な働き方が登場したことで、田舎暮らしのライフスタイルに改めて注目が集まっています。あえて田舎を定義すれば、都市化の波に翻弄されることなく伝統的な生活を現在に伝える地方エリア、とでも表現することが出来るでしょう。一定のエリアで住居が散在し集落を形成していることが多く、周辺にこれといった商号施設も幹線道路も位置していないことから、賃貸物件もリーズナブルな傾向があります。つまり安い賃貸が多いので、固定費を抑えることが出来るので安い負担で田舎暮らしを始めることが出来ると言うメリットがあります。
しかしながら地方に移住してまで賃貸物件にこだわる必要はない、との考え方も有力です。
田舎暮らしの醍醐味はアットホームな雰囲気のなかで、都市生活では味わうことができない人間関係を構築し、地方の集落ならではの地域柄を活かした暮らし方を実践することにあると考えることが出来ます。地方の集落には後継ぎが事実上断絶し空き家になって、崩壊するまで時間経過を待つだけの物件がごまんと存在しています。賃貸物件に入居するまでもなく、安いコストで生活の本拠を購入できるチャンスが豊富なのが田舎暮らしの最大のメリットと言えます。
田舎の住まいでは最も魅力的なのは、古民家で日常生活を送ることが点です。古民家とは伝統的な工法で建築された築年数が相当経過した住宅のことです。古民家には忘れられた日本の原風景と、アットホームな味わいを感じることが再評価されて、根強い人気があります。
しかし、田舎暮らしにはデメリットも存在しています。都会暮らしが当たり前になった人に取っては、田舎における人間関係の濃密な条件は、必ずしも積極的に評価されるとは限りません。ときにはプライバシーなどにデリカシーを欠いているとの印象を持つ可能性もあります。人間関係の適度な距離感をはかるのが困難なのはデメリットといえます。